球磨焼酎の楽しみ方How to make things enjoyable

焼酎の楽しみ方

近頃の焼酎ブームの折、その存在と特徴がこれほど関心をもってみられるようになった時代はありません。焼酎は、ウォッカ、やラムなどに比べバーテンダーの考えからすると、その独特の香りや個性が邪魔にもなり、扱いにくいお酒として考えられてきた観があります。これまで、女性に好まれるカクテルを作る場合、ベースとしての焼酎はあくまで自己主張しないものが好まれてきたわけです。米焼酎をほとんどとする球磨焼酎はその意味においては、強い個性を持った芋焼酎などに比べ扱いやすい焼酎でした。
 しかし近年の焼酎ブームは芋、麦、にかかわらず、焼酎の原点ともいえる泡盛にいたるまで、その風味や味わいを魅力的な個性として受け入れ楽しむようになっています。これは、酒造りをされる方々にとってはすばらしい時代です。
 球磨焼酎は球磨川流域を囲み28の蔵元があります。しかもそれぞれ個性豊かな酒づくりを展開しています。バーテンダーは、まずこの特徴とその魅力をしっかり理解し紹介すべき役割を感じます。そしてカクテルとする場合はそのひとつひとつの個性を生かしながらさらに魅力的なお酒にすべきだろうと思います。春口さん
 球磨焼酎はその酒の個性を表すような魅力的な作り手(杜氏)が存在します。できれば蔵元を訪ねられて、その思いを肌で感じられれば、1杯のお酒が更に魅力的なものにかわることをお約束します。

春口  敬
1959年  熊本県人吉市生まれ。 
地元高校を卒業後、横浜にて飲食の世界に入る。 26才に帰郷し、 SHOT BAR L&A 開業。
その後 Beer Restaurant  MALT L&A 他  Italiann Restaurant PEPERONI を開業。
現在バーテンダー暦25年を迎え、料理人としても調理場に立つ。
球磨焼酎をはじめ人吉・球磨のもつすばらしい文化と人、自然、そして豊かな食材をたくさんの方々に知っていただくことこそ、これからの自分の役割だと感じている。





 近年の焼酎ブームの中で、球磨焼酎の知名度も上がってきました。私も大変興味があり、また職業柄、球磨焼酎をもっと知らなければと思っておりました。
 今回、球磨焼酎のほぼ全種類といえる二百数十アイテムをテイスティングさせて頂くというまたと無い機会を頂き、身をもってその奥の深さと幅の広い味わいを体験させて頂きました。
 球磨焼酎は焼酎初心者にとって爽やかで飲みやすいタイプから、イモ焼酎よりコクも甘味も旨味も強く出る力強い味わいのもの、また食中に最適なお腹にもたれない淡麗なもの、食後のひとときを楽しむ香り高き熟成タイプなど、28の蔵元から色々な楽しみ方ができる焼酎が造り出されています。霧深い人里離れた土地で旨い米と清らかな水、温かい人の手、その一つ一つが世界に誇れる焼酎を産み出す要因となって何処にも真似のできない味わいをもたらしてくれます。華やかな吟醸香とまろやかさ、濃厚さもあり芳醇米野さんでもある。食前、食中、食後と様々なタイプを生でロックで水割りで楽しむもよし、好みの度数でお湯割りを楽しむもよし、また和食、洋食、中華にあわせて自分なりの組み合わせを見つけるのも楽しい物です。 自宅に数種の違った味わいの球磨焼酎をリザーブしておき、その日の気分で選んで飲む、そんな贅沢な楽しみ方ができる球磨焼酎から増々目が離せません。  


米野 真理子
熊本生まれ。 青山学院大学文学部教育学科卒業後モデルを経て現在ワインを中心とした各種講座講師、企業コンサルタント、イベント企画等。 

社団法人日本ソムリエ協会認定シニアソムリエ/社団法人日本ソムリエ協会九州支部企画副部長/日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会利酒師/全日本ソムリエ連盟ビア&スピリッツアドバイザー
 

                                  平成17年10月1日発行「球磨焼酎 vol.1」より 

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